Kiichiro Yanagitani 写真家&編集者 柳谷杞一郎 紀一郎

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なぜ写真集をつくるのか

「写真の学校」で、実際に書店で売られる写真集をつくる理由はふたつ。

ひとつは、生徒の撮影技術の向上。もうひとつはプロモーションである。

 

撮影技術の向上というのは、単にライティングとか、スタイリングとか、レンズワークということだけじゃなく、企画提案能力、取材依頼・交渉能力、肖像権など権利関係の知識を高めるということも含んでいる。

 

プロモーションは、生徒たちがカメラマンとして世に出るための一助となろうという考えである。多くの写真学校は卒業写真展とかを開くのだろうが、学生の開催する写真展に仕事先となるマスコミ関係者に足を運ばせるのは簡単ではない。

 

相当話題性のある題材をタイムリーに取り上げればいけないのだが、生徒たちの撮影対象を話題性のあるものに絞り、短時間であるレベル以上の作品に仕上げることは難しい。

だから、「写真の学校」では、写真集をつくるのだ。話題性のあるもの、必要性のあるものを時間をかけてつくればいい。

 

あるテーマを一人のカメラマンが10年かけて追っかけるというモノのつくり方もあるが、100人のカメラマンが1年追っかけるモノづくりもあるのである。これなら、多少の技術・経験不足を補うこともできるではないか。

 

しかもマスコミ関係者に写真展会場に足を運ばせるより、写真集を受け取ってもらう方がはるかに簡単だ。送られてきた出版物に目を通すこともなく、ゴミ箱に投げ込むというはなかなかできるものではない。

 

そのうえ、写真集はその作り方さえ間違わなければ、全国の書店の棚に並べられることになる。これは、カメラマンの営業用パンフレットが書店の棚に並べられるのとイコールなのである。しかも、写真集が魅力的であれば、そのパンフレットはお金を出して買ってもらえるのだ。

 

こんな効果的なプロモーション活動が他にあるだろうか。

 

「ぼくたちの論語」も、「写真の学校」の写真集のひとつだが、最近少々事情が変わってきている。

この続きはまた。(2014.01.09)

 

 

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柳谷杞一郎 写真

柳谷杞一郎

Kiichiro Yanagitani

1957年広島生まれ。写真家&編集者。続きを読む...

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